LEMSの治療手順は、本邦初のLEMS診療ガイドラインとなる「重症筋無力症／ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022」（日本神経学会監修）で示されています。LEMSの確定診断後は、まず電位依存性K⁺チャネル遮断薬で治療を開始しつつ、悪性腫瘍（主に小細胞肺癌）の有無を確認し、合併が認められる場合はその治療を行います。小細胞肺癌に対する治療が奏効した場合は、生命予後だけでなくLEMS症状も改善することが期待できます。

一方、診断時に悪性腫瘍が見つからない場合は、3～6カ月おきの画像検査と腫瘍マーカー検査をLEMS診断後2年間までは繰り返します。
腫瘍の有無に関わらず、症状が寛解^※すれば治療は終了します。腫瘍の治療で症状が寛解せず、重度の筋力低下が認められる場合、寛解していないものの重度の筋力低下がない場合などは、他の薬剤^※※の投与も検討されます。

• ※ 寛解：病気の症状が軽減またはほぼ消失し，臨床的にコントロールされた状態。
• ※※ 電位依存性K⁺チャネル遮断薬を除き、他の薬剤は本邦でLEMSに対する保険適用はありません。