電位依存性K⁺チャネル
遮断薬の作用メカニズム

電位依存性K⁺チャネル遮断薬は、神経終末のカリウムチャネルを阻害することでカルシウムの流入を促進。その結果、アセチルコリンの放出が促進され、筋肉の機能を改善します。

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電位依存性K⁺チャネル遮断薬の作用メカニズム

LEMS患者さんの多くは神経終末にあるP/Q型電位依存性カルシウムチャネル(P/Q型VGCC)の機能障害または減少が生じ、神経終末からのアセチルコリンの放出が阻害されています。その結果、神経から筋線維への伝達が障害され、筋力が低下します。
LEMSの治療で用いられる電位依存性K⁺チャネル遮断薬は、神経終末の電位依存性カリウムチャネルを阻害することでP/Q型VGCCを開口させ、細胞内へのカルシウムの流入を促進。その結果、アセチルコリンの放出が促進され、筋肉の機能を改善します。

電位依存性K⁺チャネル遮断薬は、厚生労働省から希少疾病用医薬品の指定を受けており、ヨーロッパおよびカナダにおいては成人LEMS患者、米国においては成人及び 6~17歳の小児LEMS患者の治療薬として承認されています。

経口薬である電位依存性K⁺チャネル遮断薬を服用すると、次のようなメカニズムで効果を発揮します。

<電位依存性K⁺チャネル遮断薬の作用メカニズム>

❶ 電位依存性K⁺チャネル遮断薬が神経筋接合部にある電位依存性カリウムチャネルを阻害。

❷ すると、P/Q 型電位依存性カルシウムチャネル(P/Q型VGCC)を開口させ、細胞内へのカルシウムの流入を促進。

❸ 小胞に含まれているアセチルコリンの放出を促進。

❹ アセチルコリンが筋膜にあるアセチルコリン受容体に結合することで、神経-筋伝達を向上させ、筋肉の機能を改善する。

電位依存性K⁺チャネル遮断薬の作用メカニズム

シナプス前神経終末